アキヅキ

本作品のアキヅキは実在の人物として、物語の重要な役柄となっています。

秋月辰一郎

あきづき たついちろう

1916年1月3日 - 2005年10月20日。
長崎市出身の医師、平和運動家。長崎原爆投下時、爆心地からわずか1.4kmに位置していた浦上第一病院(現在の聖フランシスコ病院)で被爆しながらも、医師として多くの被爆者の救護にあたりました。

長崎原爆と秋月辰一郎
1945年8月9日、原爆が投下された時、秋月辰一郎は浦上第一病院で診療中でした。爆風で病院は大きな被害を受けましたが、秋月医師は九死に一生を得ました。焼け野原と化した街で、医療器具や医薬品が不足する中、秋月医師は他の医療スタッフとともに、次々と運び込まれる被爆者の治療に奔走しました。

特筆すべきは、秋月医師自身も被爆しながら、病院の職員や患者に玄米、味噌汁、塩を中心とした食事を摂らせたことです。彼は、この食事が放射線障害の症状 を和らげる効果があったのではないかと考えていました。この経験に基づき、彼は食養生と健康に関する著作も残しています。

医師として、平和運動家として
戦後、秋月医師は被爆者の診療を続けるとともに、原爆の悲惨さを伝え、核兵器廃絶を訴える平和運動にも積極的に関わりました。長崎平和推進協会の初代理事長を務めるなど、その活動は多岐にわたりました。被爆体験や被爆者の証言を記録・収集する活動にも尽力し、後世に原爆の悲劇を伝える上で重要な役割を果たしました。